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王子様はオウジ様?!
「お、王子様~~?!」
思わず叫んでしまって気づいた頃には、もう、遅かった。
「え、王子様って?」
きょとんとした顔でわたしの顔を見つめる目の前の彼。
カーッと顔が熱くなっていく。
頭の中で、わたしが勝手に呼んでいた、王子様という呼び方。
頭の中は混乱していて、なにもかも、ぐるぐるまわってる。
なんで王子様はここにいるの?!
わたし、今寝てるのかな?!
これは夢?!
王子様って呼んでしまって恥ずかしい!
わたしはこっそり、自分のおしりをえいっとつねってみた。…痛かった。…夢じゃなかった…
いろんな感情が入り交じってもう、穴があったら入りたい。
「王子様って何?なんで?」
「…えっと~。王子様みたいな雰囲気で、わたしの憧れだから…です。」
…言ってしまった。王子様、きっとひいてるよね…。
「…そっか。ありがと。おまえ、七瀬夢羽だろ?」
だけど、優しく笑ってくれる王子様。本当に優しいなぁ。
「…は、はい。」
「そっか。俺、相原 オウジ。よろしくな。」
そういって白い歯を見せる彼。
…あ、王子様の名前。相原オウジ。オウジ?
え?!わたしは雰囲気とか、わたしにとっての王子様だから“王子様”って呼んでいたのに、本当に“オウジ”って名前なの?!
えー?!王子様ってオウジ様だったの~?!
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