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「あはは!良い反応するなぁ。」
「な?!だって、びっくりするし。」
「ま!まさかこんな所で会えるとはなぁ。」
「え?」
わたしの気も知らずにケラケラ笑うオウジ様。
よく分からないことも言ってたけど、それについては教えてくれなかった。
だけど、まさか、本当に現実世界で会うことができるなんて。
現実で見るオウジ様は、夢で見ていたよりもずっとかっこいい。
…あっ!ということは…。
今まで、オウジ様は、わたしの夢の中だけの、空想の王子様だから、叶うはずのない夢だと思ってた。
だけど、わたし、実在するオウジ様に恋してみてもいいってこと?この恋は、決して叶わぬ恋ではないってこと?!
完ぺきに混乱状態のわたしに、オウジ様が、ふと、手を伸ばした。
―パチンッ!
と、乾いた音がしたあとに、じんわりと、おでこに柔らかい痛みを覚えた。
「…え?」
え、あれ、?今、オウジ様、なにを…。
顔をあげて、いたずら笑顔をうかべているオウジ様を見て、気づいた。
オウジ様は、わたしのおでこに親指で、人差し指を弾いて、いわゆる、デコピンをしたんだ…!
ていうことはオウジ様の手が、わたしのおでこに触れたってこと~?!
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