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舞踏会で、階段を駆け上がる!
「つーか、俺のこと、知らないの?」
「…え?」
不意にオウジ様が、そう切り出したのは、外が寒かったから、わたしの家のわたしの部屋で、一息ついたときだった。
お母さんがいるかもしれないから心配だったけど、運がいいことに、お母さんは留守だった。
日頃の行いが良かったのかな?この前、落とし物を拾ったから?この前、並んでいなかったトイレのスリッパを、並べ直したのが良かったのかもしれない。
でも、そんなのどうだっていい。
だって今、現にオウジ様が、わたしの家にいるという夢のようなことが起こっているんだから。
夢の中で、オウジ様が、わたしを優しく招待してくれたように、わたしも、オウジ様があたたかい気持ちになってくれるようにしたいな。
「えっと、し…知らなかった…かな?現実世界では会ったばっかりだし…。」
緊張のせいか、とぎまぎしてしまって恥ずかしい。
今、わたしはどんな顔してるんだろう?
変な顔してないかな?大丈夫かな?
好きな人がいるとこんなにもドキドキするものなんだ!
知らなかった。
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