7人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
王子様は高校生?!
🌙その手は、大きくて、角張っていて、男の人だ!と思った。男の人なんて当たり前だけど。
その手は、つかんだ瞬間に、ぐいっとわたしの体を引き上げてくれて、バランスを崩しそうになってしまったけれど、それも、立て直してくれた。
突然のことで、声がでなかったけど、やっとのことで、
「あ…!ありがとうございます!」
…言えた。声が裏返ってしまって、ヘンな感じになってしまったけれど。
それでも優しい王子様。
「いいんだよ。君は…迷子かな?」
と、目を細めた。その笑顔は眩しくて、美しくて、わたしは思わず寒さも怖さも忘れて、見とれてしまった。
整った顔立ちだった。なんて言うか…男らしいような。背は、わたしよりも頭半分高いぐらい。
…かっこいいな。この王子様がわたしの彼氏だったらどんな感じかな。
なんてね。何を考えてるんだろう、ありえないのに。
顔をあかくして黙り込んだわたしに困ったような笑顔を見せる王子様。
そうだ。返事をかえさなきゃ。
最初のコメントを投稿しよう!