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学校でも、その日はずっと王子様の事を考えていた。考えずにはいられなかった。
なぜだか、彼のことを想っていると、わたしの心は躍るのだ。
こんなわたしを王子様が好きになってくれるわけないのにね。でも、今は好きでいさせてね。じゃないと、辛くてきっと、たえられないから。王子様はとても優しくてあたたかい。
家に帰ればいつもの通り、コキを使われて、お母さんのいいなり。でも不思議なの。王子様の事を考えてるとなんでもがんばれる気がするの。これってわたしだけかな。それとも、恋する女の子たちはみんな同じなのかな。
今日は、お風呂も、ご飯も早く終わらせて、はやめにふとんに入った。夢の中の王子様に思いをはせて、静かに眠くて重い瞼をとじた。
ーまた、王子様の夢が見られますように。ー
🌙そこは、ふかふかのじゅうたんが敷いてあって、おしゃれな家具がいっぱい整列していて、だけど、男の子って感じで、ボールや本が適当にバラバラと置かれていたりしていた。
「うわぁ。ステキなおうち。でも、いいんですか?」
「そんな、いいんだよ。汚いけどわるいね。」
申し訳なさそうに笑う王子様。そんな王子様がもっと好きになってしまった。
もう、どうしようもない。恋する乙女なんだもん。
ー「そっか。それじゃあ、とりあえず俺の家にでも来る?」
その言葉に甘えて今は、王子様の家にお邪魔している。王子様はああ言うけど、わたしにとってはステキなお城だ。ステキすぎるよ。王子様。
なんか、あまくていい匂いもするし。
これは王子様の匂いかな。
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