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言えなかった言葉①
ある広大な土地に。
広大な屋敷が建っていた。
広大な庭園には、各種のバラが咲きほこり、かぐわしい香りで屋敷を包んでいた。
さて、その広大な屋敷の一室。
「どうしたのですか。お嬢様。
こんな簡単なこともできないのですか」
ピシリ。と冷徹な声で言ってのけるのは、一人のメイド服の女性だった。
厳しい声にも関わらず、その容姿はと言うと、小学生かと見間違うほどに小さい。
(ピー)歳には全く見えない。
そして、そのメイドの視線の先にいるのは、中学生くらいのこれもまた、かわいらしい少女だった。
この子に関しては、見た目通りの中学生。14歳である。
お嬢様と言われた通り、少女は、この屋敷のお嬢様。
つまり、このお嬢様はメイドの雇用主と言うことになる。
「ほら、小学生にもできることですよ」
お嬢様は、耐えるように、にらみつけるのみ。
メイドが、更に強い口調で、お嬢様に言い募る。
「口をこう「い」の形のまま、がっきゅうぶんこって言うんです!さあ!」
「なんで、私がそんなことしないといけないのよ!」
「私好きなんですよ!お嬢様が恥ずかしそうに汚い言葉をいう所!」
「この変態!」
二人は今日も仲良し主従です。
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