光の中の塔

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 密林の奥にひっそりとたたずむ塔。  俺と彼女は調査のために、ここまではるばるやってきた。  朽ちているとはいえ、陽光に照らされたこの塔は、じつに神々しい。 「この塔のてっぺんに恋人を閉じ込めていたらしい。ロマンチックだよな」  俺はうっとりと塔を見上げた。 「妖怪束縛男じゃん。私なら即ブロックするけどね」  と、彼女は言った。  神々しいと思ったさっきの俺を殴ってやりたい。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加