148人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
俺が視聴覚室に着くと、もうすでにキャストが揃っていて、俺が最後だったぽい。まあ、俺だけ化粧があったからな...。
「もう始まっ、おお、ほんとに冬山か?」
と王子役の山田が目を丸くして言った。
「ほんとに俺だよ、冬山夏でーす。いいなー山田めっちゃかっこいい衣装じゃんか、俺だけなんか違うくね?」
「俺は王子で、冬山は白雪姫なんだからしょうがないじゃん。まあ、似合ってるよw」
「笑うなよ...」
「それはともかく....冬山が来たので、リハーサル始めまーす!」
よし、覚えてきた台詞間違えないようにしないと。ここまで来たからには頑張る!全ては10万円分の食事券のために!
「冬山、お前演技いい感じじゃん!」
そう言ってきたのは魔女役の佐々木だ。
「衣装も似合ってるし、マジで女にしか見えん」
「それは、褒めてるのか..?」
「褒めてる褒めてるー」
「棒読みやめろw」
「へーいw」
自分が思っていたよりもいい感じだ。後は本番でミスしなきゃいいだけ。
そういえば、前にも山田に聞いたけど、結局狩人役どうするんだろうな?
リハーサルにも来てなかったし。そこだけ不安なんだけど。
まあ、狩人とのシーンなんて俺が狩人から逃げるだけだし大丈夫か。
そう思っていた俺だが、まさか本番あんなことになるとは思いもしていなかった。
最初のコメントを投稿しよう!