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いつも通りの日常
「夏ーー起きなさーい!」
母のいつもの声で目が覚める。
俺の名前は冬山 夏
「夏と冬、真逆だな」
クラスメートから、からかわれる。
俺の親曰く、苗字に冬がついているから
寒さに負けず、元気な子に
育って欲しいという意味で
真逆の「夏」と名付けたらしい。
まぁ正直、ややこしい
「やばっっ!もうこんな時間!!」
俺はベッドから飛び起き
階段を駆け下りた。
「夏ーお弁当!」
母さんが叫んでいる。
「分かってるよー!」
と返事をして、通学用の鞄に弁当を突っ込む。
慌てて玄関を飛び出す。
「夏ー遅い」
と言っているこいつは、
鈴宮 瑛斗
俺の幼馴染だ。
俺たちは家が隣同士で、小さい時から大の仲良しで
登校下校はいつも一緒だ。
「ごめんごめん、寝坊しちゃってさ」
といつもの調子で謝る。
「これで何回目かな…」
呆れ顔で俺を見て言った。
「お前身長また伸びた?」
「そう? あんまり変わってないと思うけど…」
「うわぁームカつくわぁ」
「夏が小さすぎなんじゃないの?w」
こいつは180cmという
脅威の高さだ。
俺が158cmだから隣に並ぶと余計高く見えてしまう…。
悔しい…。
俺たちは黒山学院という
男子校に通っている。
まぁいわゆる普通の男子校だ。
俺は正直、共学の高校に行って、
女子と戯れたかった…。
そんな俺の野望も虚しく、
俺の学力で何とか入れた
家の近くにある黒山学院に入学した。
「俺、ずっと疑問に思ってたことがあるんだけどー」
「何?」
「お前って俺よりめっっちゃ頭いいのに、なんで黒山受けたんだ?」
「………まぁ、近かったから。(夏と一緒のところが良かった。ボソッ)」
「 え?」
「なんでもない…もうこの話は良いでしょ..。早く学校行かないと遅刻するよ!!」
なんか話しそらされた気がするんだけど、まぁいっか…
俺たちは急ぎ足で学校へ向かった。
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