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瑛斗 Side3
「おはよう!葵くん!」
「うん..おはよう。田辺さん...」
「今日はいい天気だね!」
「そう..ですね..」
「もう!私に敬語使うの禁止って言ったよね!私たち同い年なんだから。」
「そう...だけど。」
「今度からそうしてよね!あ、そうだ!今日一緒にお昼食べない?」
「え?僕と?別に僕は大丈夫だけど。田辺さんと一緒になんて..僕なんかより他の人誘ったほうがいいんじゃないかな..」
「葵君がいいの!お昼休み屋上来てよね!待ってるから!」
「凛!次、移動授業だからそろそろ行くよ」
「分かったよぉー茜。葵君!また後でね!」
「うん..」
太陽みたいに明るい彼女とどこにでもいるような平凡な僕。
田辺さんは何故か僕に話しかけてくれるけれど、なんでなんだろう。
この恋愛映画のストーリは、みんなに好かれている田辺 凛と自分にネガティブだけど実はイケメンな水野 葵の恋愛ストーリである。
ナレーションと共に物語が進んでいく。
正直、映画の内容よりも、夏の反応の方が気になって、全然映画に集中できない。ちらっと、夏のほうを向くと、
「ぐすっ」
え。泣いてる?!
どんなシーンかと思って、慌ててスクリーンに目を戻すと、映画はもう後半で、水野が田辺に告白しているシーンだった。
この映画、展開早すぎやしないか。と心の中で思いつつ、そんなことよりも
夏が、何故この告白シーンで涙しているのか全く分からなかった。
色々考えて、モヤモヤしているうちに映画は終わってしまった。
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