65人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
『アクアリウム』 遊木 千周 様
月明かりが差し込む部屋に聞こえるコポコポと水槽に空気を送る音……
一ページ目から、静寂と張り詰めた空気感に包まれ、物語に引き込まれていきます。
読了したのはずいぶん前なのですが、その時からずっとイメージが頭にあってラフを残していました。
先日、遊木さん作品へのイメージ表紙風ファンアートを公開している『遊木千周さん作品イメージ表紙風ファンアート集』が、畏れ多くも2000☆をいただい記念に、この物語にファンアートを描かせていただきました(*´▿`*)
あちらでも閲覧くださった方、お星様、ペコメなどで反応くださった皆さま、本当にありがとうございます。
このお話は、読み進むごとにふたりの関係性が浮きぼられていき、それがストーリーの要となるので、ここで熱く語ることはこれから読まれる方にとってはこのましくないかもしれません。
んー!でも、語りたい!!
なのでこの下のスペース(画像)からは既読の方や、ネタバレ大丈夫な方で読んでもいいよという方の閲覧でお願いします(*´ー`*)
********************
********************
遊木さんならではの凛と澄んだ繊細な言葉使い、謎解きのような展開に、あっという間に物語の世界に引き込まれ酔わされました。
情景が脳内に映り込み、光、音、温度も伝わってきます。静かで穏やかな水中……でも水底には濃い想いが澱んでいる。それを感じさせつつ、揺れるふたりの心持ちに切なさ、やるせなさ、背徳感、静寂と熱……など様々な感情や感覚が生まれ、部屋の中、水槽越しにふたりの姿、会話を息を詰めて覗いているような、そんな感覚に包まれました。
その“事実“を、後から知り背負ってしまった荷と初めから知っていて背負った荷。果たしてどちらが重いのか……
知った上で背負った兄 和彦さんの覚悟を口角をあげる口元と逸らさない真っ直ぐな瞳に、その兄の想いを全て知った時、弟 奎緖君の戸惑いといけない事と思いながらほのかに沸き起こる喜びを潤み光る瞳に……イラストにはそんな感情たちを意識して描いてみました。
ともすれば、禁忌的関係はどろどろとした感情にのまれそうになるもの……けれど、このお話ふたりはそんな危うさも秘めつつ、ずっとふたりでいて欲しいと思える清らかさを感じます。それは核に損得などない深い慈愛があるからかもしれません。
お互いの荷を分かち合えたとき、その重さにもし水底へ沈んでしまっても、それがふたりでならきっと……水中を揺蕩うような余韻にふたりの幸せを密やかに願う、ふと読み返したくなるとっても素敵なお話です。
今回、表紙風といいながらふたりの距離感にこだわってしまい横長イラストに(^_^;)
でも表紙風とうたっているので縦長にトリミングてみました。
かなりのどアップに(*´艸`)
ギリ和彦さんの口元が入ってほっとしつつ、奎緖君の涙の膜でひかる瞳はこちらの方がわかるのかな、などと思いつつ……
そしてこちらを千周さんのご好意で表紙として使っていただいています!光栄至極です!!
千周さん、こんな熱すぎる気持ちをいつも優しく受け止めてくださりありがとうございます(*´▿`*)
繊細で美しい物語はこちらから↓↓
https://estar.jp/novels/24873642
最初のコメントを投稿しよう!