『とめどない優しさを分かち合えるあなたと同じ夢を』 なしもとゆか様

1/1

65人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ

『とめどない優しさを分かち合えるあなたと同じ夢を』 なしもとゆか様

efb92672-da06-4ebd-a898-b80274613ff6 作中のあるシーンのイメージファンアートです。 タイトルにもある “優しさ” がにじむイラストにしたくて気持ちを込めて描きました。 スキャンダルの釈明会見から始まるストーリー。数週間前、数年前へと時間を遡り語られていく背景のち、また現在へ……釈明会見で何が語られるのか。どんな答えを見つけたのか。 拗れた関係、想い。優しさの意味。夢。いろいろなことに心疼かせ、彼らの生き方に思い馳せるお話です(;▽;) 余白の多い構図ですが、それを語り出すとネタバレ必至(笑) でもやはり語りたいので、このあとは作品を既読の方、ネタバレが大丈夫な方の閲覧推奨です(*´ー`*) 語り始める前にいつものタイトル入れたい病発症のパターンを(笑) 長めのタイトルなので配置や文字の大きさは何パターンか試しました。微妙な不揃いさで物語を表現できているといいな思います。 そしてなしもとさんに見ていただいところ、なんとお表紙に使ってくださることになりました!!お声かけいただきとても嬉しかったです!本当にありがとうございます(*´▿`*) 91bf66e8-eec3-496a-b7b3-6d302d51e899 さて、語りに入ります(笑) 気がついた方がいらしたらすごい!と思うのですが、この構図はスマホの画像一覧表示画面をイメージしています。 これは作中に出てくる晶太君(イラスト黒髪の子)が撮った画像の一枚。内緒で撮影した、彼にとって“綺麗で優しい存在”の竜嗣さんとのベッド画像。これがのちに世間を騒がすスキャンダルの発端となってしまう。けれど彼にとってはただただ大切な瞬間を切り取った宝物で……この画像を撮った時の晶太君の気持ちを想像するともう泣けてしまいます( ・ ・̥ ) 物語の序盤、竜嗣さんから感じる傲慢さ。たぶん普段の彼はこのイラストとは全く違う表情していると思います。フランス人の父を持つ彼は、幼い頃からモデルとして活躍、大人に囲まれ、そして父の期待を背負い育ちました。そんな環境でいつの間にか仮面をつけ鎧で身を守ることを覚えてしまった竜嗣さん。でもこの瞬間はきっと全て脱ぎ捨て素をさらけ出した姿だったのではないかと想像しました。それが例え偽りの相手へ向けた優しさの賜物だったとしても…… 晶太君は「アキラ」という源氏名のボーイ。彼はある障がいが原因で恵まれているとは言えない環境に身を置いています。でも彼の内側にはあり余るほどの優しさが詰まっていて……ボーイとして出会った竜嗣さんだけど、出会ったその瞬間から大切な存在となり密かに想いを寄せていく晶太君は純粋で無垢。でもどこか芯のある子で……だからなのか彼の周りには本当の優しさを知っている人たちが集まり彼を理解、支えてくれます。 こんな幸せそうな画像ですが、これを撮ったときの彼らの気持ちは繋がっていません。 竜嗣さんには長年想いを募らせながら、気持ちを決して伝えることのない相手、佑馬さんがいて……彼は高校の時のクラスメイトで親友ですが、ふたりの関係はある事がきっかけで拗れてしまいます。そんな絡まり拗らせた想いと関係が綴られながら、徐々に竜嗣さんの鎧が剥がれ本質が紐解かれていき、人間くささが濃くなってゆくのがとても興味深かったです。 また、多くを求めることを知らない純粋な晶太君の存在には尊さがふくらみます。そんな晶太君が終盤に自分の生き方を模索、歩み出す姿にはエールを送りたくなりました。 時に叱咤し、悟るきっかけの言葉を投げたり、さり気なく手を差し伸べる脇を固める登場人物たちも皆とても魅力的です。問題の画像から晶太君の想いに気づくのも竜嗣さんを囲む周りの人たちで……彼らがひと目見ただけで晶太君の気持ちが透ける画像イラストを描きたかったので、それが伝わるといいなと思っています。そして更に彼らが見て心動かされた画像を具現化したくて手を加えたパターンがこちらです↓ 7634f9ee-aa73-4fe1-9f0b-e531bd0df6a4 晶太君のスマホの画像アルバムは、きっとこんな風だったのではないかなと想像し、作中で羅列されていた順に再現してみました。(画像は私が撮ったものとクレジット表記不要のフリー素材を使用させていただき加工しました) 晶太君は初めて手にしたスマホに、綺麗で優しくて好きなものを大事に集めていました。アルバムに増える優しい気持ちになれる大切なもの。それを事ある毎にニコニコ笑顔で眺めていただろう晶太君の姿が目に浮かぶようです(;▽;) カテゴライズはBLになっていますが、仮面をかぶる拗らせた大人と己の可能性を知らない不遇の青年の成長物語はヒューマンドラマ色も強く感じられます。 想像掻き立てる予感と余韻を味わえるエンディングもとても素敵です! 新作コレクションにも選出されている、出会えて良かったと思える一作です! 物語はこちらから(*´▿`*)↓↓ https://estar.jp/novels/25274792
/59ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加