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秋頃、文化祭の準備が始まる季節に差し掛かって来た頃。それと平行で、中間テストがあった。はっきり言ってこんなうるさいクラスだ、学年全体の平均を見ても毎度下回るくらいだ。
それでも、テストとなるとみんな必死になって勉強をする。
そして、テスト当日。
今でも覚えている、テスト当日の一時間目のテストは、英語だった。
テストが開始して、五分も経たないうちに、急に具合が悪くなり、目の前が真っ白にボヤけ、教室の暖房の鳴る音さえ遠くに聞こえるような、そんな感覚にあった。
私は、監督の先生(のちに恩人となる先生)に、具合が悪い事を告げて保健室へと向かう事になった。
教室を出るとき、誰かの「顔色、真っ青」という声が耳に残っている。
保健室で熱を測ると、三十八度を超える熱が出ていた。一応、答案用紙を持って保健室に来たけど、やる事は出来なかった。
保健室のベッドで寝ている時ーーまあ、その当時、養護教諭の見習い先生が一人いたので、保健室の中は、養護教諭が二人いたとなる。
その二人の養護教諭の世間話が耳に入ってくるわけで、しかも、中学時代の私は人間不信気味になっていたので、“全てが自分に向けられる、悪口”と脳内変換をしてしまっていた。
実際は、本当に何気ない世間話だった。
「起きてこないね」
「大丈夫かね?」
と、いう話しだ。
結局、その日は祖父が迎えに来て、早退となった。皮肉にも私の荷物は、クラスメイトの誰かが持って来てくれた。
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