人生の恩人

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憂鬱な気持ちで教室へ向かうと、廊下の端でいじめグループの女子二人(一人は小柄で主犯もう一人は、太っていた)と背の高い男子がいた。 その時、主犯格の女子が「死神が来た」と、二人に笑いながら言った。その言葉に苛立ちを覚えるも、私は教室へと足を運ばせる。 陰鬱な気分で教室に入ると、また誰かが「もう、来たんだ」という言葉が聞こえてきた。 それにも、苛立ちを覚える。 それよりも、この時、初めて“苛立ち”をクラスメイトに向けたと思う。 私は、自分の席に座る。机の中には、プリントが入っていた。しかし、ただ単に学校たよりだけではない。 ()のだ。 おそらく、嫌がらせのためにだ。 私は、知らないふりをして、いじめっ子の答案をもみくしゃにし、ゴミ箱へ捨てた。 相変わらず、後ろでは野球みたいな遊びを繰り広げられている。“いい子ちゃん面達”は、嫌な顔をしているも、誰も彼らの遊びを止めようとしない。 面倒な事には顔を突っ込みたくないようだ。 野球みたいな遊びをしていると、また、紙のボールが私の足元にやってきた。 今度は取らないと、心に誓うも、この間とは違う男子生徒が私のところにやって来て、「ボール取って」と、ニヤケ顔をしながら言ってくる。
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