人生の恩人

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人生の恩人

ーーその人は、私にとって“光”を取り戻してくれた……。命の恩人だ。 中学時代、私の学年ーー主に私が通っていたクラスは半分学級崩壊をしていた。 授業中は、騒がしく、お喋りをする生徒が半分くらいいた。真剣に授業を受けようと、先生の話しに耳を傾けるも、騒がしい生徒のせいで、授業は聞き取れずにいた。しかし、全部の授業がそんなんではない。気まぐれに騒がしくなり、気まぐれに静かな時があるという、感情の波のように激しかった。 その時期は、私にとって学校は地獄のような場所だった。私の世代が特に、学級崩壊や自殺する中・高生が多い時代であり、いじめ問題になりつつある時代でもあった。 私は、それのいじめの被害に遭っていた。 いじめといっても、肉体的に何かをされたりではなく、精神的に追い詰める型の被害に遭っていた。 それが、始まったのは、夏休みが明けてしばらく経ってからだ。 同じ班になった人達が最悪だった。もっと言えば、私の班がある場所の隣には、彼らの友達がまとまっていた。 この班決めは、くじ引きではなく、あらかじめ六人の班長候補を決めてから、その六人が好きなメンツを決めていいという、今思えば、腐ったような決め方だった。
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