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あれからどれだけの日々が過ぎたのか。
幾度も本屋に立ち寄ったが、彼女はいない。
貼ってあったあのポスターも回収されていた。
彼女は、帰った。きっと。
自分のことをシロといった彼女。
―――『いっぱい傷ついて、死んじゃった』
どうか…どうか。
繰り返し願った。願って願って、願った。
強くなった彼女はシロになんて、ならない。
祈るばかりで。
震えていた肩を、あの肌を、思い出してしまう。
凡庸と記憶を追いながら、俺は彼女と巡った景色の地を幾度となく踏んでいた。
気づけば一年も経っている。嘘のように、時が流れていた。
どこかで会えるのではないかと思っていた。でも会えなかった。
俺の家から遠くはない場所だ。何気なく見かけることができるのではと期待した。
でも。
引き止めるべきだったのだろうか。あのまま帰さず、連れ去れば。
彼女があれ以上傷つくことは…なかった?
「いや…」
首を振る。あの本屋の前。
彼女と別れた日は、去年のこの日。
信じなければ。彼女が強くなったことを。
足が動いた。今日が終わりかけている。
ほんの少しの可能性にかける。
あの場所へ。
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