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だが…現実は
既に不幸になっている筈の2人の少女はとても仲良しな姉妹になっており、私の方に姉がトコトコ近寄ってくる。妹は周囲を警戒しながらついてくる…10歳なのに歴戦のSPのような鋭く隙がない所作で…何故?!
「あら、あなたはつまらない男共には靡かないのですわね?」
「あのねあのね!このお菓子美味しいよ!」
………エリザベート様は天使のままだ
まあ、そりゃそうである。彼女の大好きなお母様と専属侍女はご存命だから
そしてアリス様…本来薄幸男爵令嬢の筈の彼女は何故か養子になり公爵令嬢になっているという…
なんかアリス様のお母様が第2夫人になってるし…さっきから公爵様と3人で桃色空間作ってるし!
おっといかん、返事をせねば!
「パサージュ伯爵家、マリアンヌと申します。お声をかけていただき光栄です。エリザベート様、アリス様」
「マリアンヌちゃんね〜これ美味しいよ!」
「はむっ?!」
エリザベート様がニコニコしながら私の口にお菓子を放り込みなされた…公爵様の視線が怖いぞ!!
「あのね、お友達になってくれる?」
「はい喜んで!!」
にぱっと笑う天使様…アリス様と公爵様からは断ったら殺すぞ視線ビーム頂いて胃が溶解しそうですけど!!エリザベート様の天使オーラで緩和されてどうにかなったよ!
…あと、アリス様、居酒屋かよって小さく呟きましたね?転生者ですね?好き勝手してる系ですね?
でもエリザベート様やお母様方が不幸にならなかったのだからこれでいいんだよね?
というか、私と同じ転生者だからって物語をこうも捻じ曲げることが可能なのだろうか?彼女の光魔法は傷を癒したり呪いを消したりすることにはとても有用だけど荒事には向かない筈なんだけど…
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