49人が本棚に入れています
本棚に追加
★序章★・・・契約、そして旅立ち ⑧
✴︎8話〜城の中にて{改}
※※※※※※※※※※※
ガルドは皇帝マグドに呼ばれて城に来ていた。
そしてガルドは、城の中の客室にいた。
(何なんだ!?人を呼び付けておいて……。それにしても、これは何かおかしい)
部屋の中を、ウロウロし始めた。
(もう何時間も、待ってるってぇのに来ねぇって。どうなってるんだ?)
そう思っていると扉が開き、侍女が飲み物とお菓子を持って来た。
「申し訳ありません。ガルド様、お待たせしてしまいまして。陛下は、急なお客様がおみえになり、もうしばらくお待ちくださいとの事です」
「それは構わねぇが、急な来客じゃ仕方ねぇしな」
侍女は、ホッとしたような顔になり、会釈をしてから部屋を出て行った。
(何かおかしい。考えたくはねぇが。でもなぁ、あのマグドが人を呼びつけておいて……)
一呼吸おき、
(……これは一度、村に戻った方がいいかもしれねぇな。だが、どうやって、ここから気づかれずに出る?)
そう考えながら、窓から外を見ると、今までにないくらいの数の、衛兵や傭兵が整列していた。
(やはりこれは、俺をここに留めておく為って、考えた方がいいみてぇだな)
窓から離れテーブルの方に来ると、
(ここで、こうしているうちにも、ブラットの身に何かあったら)
どうここを抜け出そうかと、模索していたが、
(あー、仕方ねぇ。クソっ!!マグド。もしブラットの身に何かあったら、お前の事を、一生恨んでやるからな!!)
ガルドは、このまま考えていても、時間の無駄だと思い、強行手段に出る事にした。
一方、皇帝マグドはというと、やはりガルドが思っていた通りだった。
マグドは部屋にいた。
(申し訳ないガルド。いま村に、お前が居ては困るのでな)
そう思いながら、マグドは紅茶を飲んだ。
最初のコメントを投稿しよう!