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「ああ、宝石の事、すっかり忘れてたぞ!
近藤さんも忘れてたんだ。何でだべ?」
「社長の人選は、三百万より遥かに重要だったんだべな・・・」
ケイは、鍋からゴボマキと野菜を小鉢に取って食べている。
「会議は妙なふうに踊ってるんか。
会議は踊る。されど進まず。ウィーン会議だな・・・」
タエもイカ巻と野菜を小鉢に取って食べている。
「方針が決らねんだべな・・・」
ケイがグビリとお酒を飲んだ。
「この話、盗聴されてんね・・・」
タエもグラスを取ってお酒を飲んだ。
「気にするこたえねえべさ」とケイ。
「はい、飲んで・・・・」
タエが日本酒のボトルを持ってケイに差しだした。
ケイは半分ほどになったグラスをタエに差しだした。
タエはケイのグラスにお酒を注いだ。
「おっとととと・・・」
ケイのグラスがいっぱいになった。
ケイはグラスを置いてタエからボトルを受けとった。
「はい、タエも・・・・」
ケイがボトルを差しだした。
タエは、お酒が半分ほどなっているグラスを、ケイに差しだした。
ケイはグラスにお酒を注いだ
「おおおっ・・・。これくらいにしねえと、二日酔いだべ!」
タエは笑いながらそう言った。
「アハハッ!ぜんぶで、グラス一杯半くらいだべさ。
だけんど、きついなあ~まわったべさ~。
おでん食ってんのに、きくね~」
ケイも笑っている。
「はい、きいてますねえ~」
タエも笑った。
雪の夜はゆっくり更けゆき、雪雲の合間から月光が射しこんで、雪が小降りになっていた。
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