テストのご褒美

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 瑞希は張り切っていた。テストで100点を取ればお父さんが土曜日に水族館に連れてってくれるという。 「どんな教科でもいいよ。満点を取るように頑張れ!」 「うん!瑞希はね、国語だったらイケそうな気がする!」  小学校も高学年になるとぐんと勉強が難しくなった。今は5年生の秋。来年は6年生になって学校で一番年上になる。 「国語でも算数でも得意な教科を頑張れ!」  瑞希はいつもは9時に寝るのに満点を目指して11時まで勉強をした。弟と共有している子供部屋はマンションに入って右側にある。小学校にあがって買って貰った勉強机はまだ新品だ。隣には二段ベッドが置いてあって瑞希は上で寝ている。弟の佑太はまだ小さいので下だ。可愛い顔をして寝ている佑太を微笑ましくチラリと見る。スヤスヤと一定の寝息をたてて寝ていた。瑞希はスタンドのライトを煌々と点けていつの間にやら机の上に置いた漢字ドリルを枕にして寝てしまう。いつまでも電気が点いていたのでお母さんが心配して子供部屋を覗いた。 「あっ、こんなとこで寝て!ちゃんと布団で眠ってちょうだい」 「うーん、勉強してたの。100点とってお祖母ちゃんのところに行きたいんだー」  お母さんが背伸びをしてベッドを整える。 「お父さんに瑞希が頑張ってたこと伝えるよ」  翌日、キッチンに行くとサラダがテーブルの上に置いてあった。お母さんはお父さんの健康を気にして野菜を多く使う料理を作る。お父さんは箸でレタスを掴みながら言う。 「昨日は夜遅くまで勉強してたんだってな。100点がとれたら、お父さんの実家の傍に水族館があるんだ。お祖母ちゃんとみんなで行こう!」
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