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レイグリッドさんの『シロガネ』とユイナさんの『コガネ』は神竜と呼ばれる上位種ドラゴンで、念話で会話が出来る。だけど、このレッドドラゴンは言葉を理解はするけど、会話は出来ない中位種ドラゴンと、教えてもらっていた。
そして野生なので、自由気ままに過ごしていると。
だけど、ある条件下では飼い犬のように命令を聞き入れる。
それは、『同じ属性の神の加護を持っている者』
なので、『火の神イズルタージュ』の加護を持つアイザに、レッドドラゴンは尻尾を振って付いてくるのです。
「ハルト! メイラ! 行くわよ。」
身を屈めたレッドドラゴンの首元に跨ったアイザが、僕とメイラに向けて手を差し出す。
僕はアイザの後ろに座り、メイラちゃんが僕の後ろに座る。
そして僕は、両手を回してアイザに抱き付く。
その僕にメイラちゃんが両手を回して抱き付く。
『コガネ』の背に乗せて貰った時は、神竜の力で背中から落ちる事は無かったけど、レッドドラゴンにそれは無い。
飼われているドラゴンなら、鞍と鐙を付けて乗ればそれなりに安全なんだけど、野良なのでありません。
だけど、加護持ちなら話は別。
神竜の力と同じ働きが起きて、落ちなくなるのです。
メイラちゃんも『火の神イズルタージュ』の加護持ちなので二人は落ちない。
で…俺は落ちる。
結果、二人の真ん中で落ちないように守って貰うという、ちょっと恥ずかしい姿になりました。
「ドドちゃん、出発よ。」
アイザの掛け声でレッドドラゴンは立ち上がり、翼を一振りするとフワっと地面から飛び立ちました。
当然、物理法則で飛んでいるのではなく、飛行魔法なのでゆっくりとした速度で上昇していきます。
「お待たせしました。今日はよろしくお願いします。」
空には、既に2匹のドラゴンが待機していました。
2匹のドラゴンは、長年連れ添った相棒なので、ちゃんと名前があります。
真っ青な海のような青色のブルードラゴン『シンラ』に乗っているのが、パトルオさんで海がメインの漁師さん。
新芽のような淡い緑色のグリーンドラゴン『ヤクテ』に乗っているソグラドさんは、陸がメインの猟師さん。
海と陸で本来なら違うんだけど、食料を獲ることが同じなので、職業『狩猟師』として、それぞれをサポートしているのでした。
そして朝は、海の漁に向かいます。
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