4人が本棚に入れています
本棚に追加
記念日
「覚えていてくれた…!!いつか、きっと…いや!必ず来てくれると信じて、待ってたよ。」
カズ君が笑った
私は、何も答えられない
これは、6年間の世界
私が、実際には行かなかった、夢の世界
「やっと、あやまることが出来る…。」
私は、決心する
「カズ君…、ごめんね。6年前行けなくて…。」
カズ君の目を真っ直ぐ見て、私は言った
「でも、こうして、来てくれた。今日を覚えていてくれた。6年間、待ってて良かった…。」
カズ君の笑顔に、私は戸惑う
これって、6年前なんだよね?
夢だから、現実と過去が混乱してる?
「6年前、あみは来てくれなかったけど…。俺は、あれから毎年、この日にこの場所で待ってたんだ。」
カズ君の笑顔が、6年前と重なる
「これ、って…、夢だよ…ね…。」
私の疑問が声になってしまった
「夢じゃないよ。」
カズ君は笑う
「違う、違う、そういう意味じゃなくて…!夢なはずなのよ…!」
私が慌てると、カズ君は不思議そうに言った
「夢じゃ、ない。現実だよ、あみ?」
私は、自分の頬をつねった
「いた!」
カズ君は、クスクス笑っている
私は、目を覚まそうと瞼を開こうとする
カズ君の前にいる、私の表情の目が開かれる
カズ君は、大笑いした
「え…?どういうこと…?」
戸惑う私に、カズ君が優しく言う
「6年前、あみは来なかった。それから、6年間、俺は、この記念日に毎年、この場所に来ていた。今日は、あみと俺が付き合い始めた日だろう?」
「………!!」
偶然にも、今日は、カズ君との付き合い始まり記念日
あの時に約束していた、その日だったのだ…!
「やっと言える…。あみ、結婚しよう…。」
カズ君は、もう一度私を抱きしめた…
最初のコメントを投稿しよう!