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一話目「でも、私は目を背けた」
洋服屋で見かけた、魔女の服。
最近人気の魔女っ子アニメの主人公の衣装が、子供コーナーに飾られていた。
私は、ぎゅっと手を強く握りしめる。
昔なら、クラスでも退かれるほどの魔法大好きオカルトオタクの私なら、小さい子をかき分けてでもしがみついて見つめるような、そんな服だ。
でも、私は目を背けた。
最近、こういう商品やお店がいやというほど目に入る。
こういう時に限って、目に入るのだ。
私は何も見たくない。
バカげている。
どうしてみんなは、魔法使いが出てくる話をやたら読みたがるのだろう。
魔法なんて、この世に存在するはずがないのに。
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