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「ねえ、魔法って信じる?」
突然私に、声がかかった。
走り続けていた私は、いつの間にか商店街の出口までたどりついていた。
そこにいたのは……帽子をかぶって、マントを羽織って、ブーツを履いた女の子。
でも何より驚くのは、帽子は黒いとんがり帽子で、マントもブーツも黒で、片手にほうきを持って、裾が広がったワンピースも黒く、魔女みたいな恰好だったことだ。
すぐ足元に、真っ黒な猫が身を摺り寄せている。
「あなたに言ったのよ。」
答えない私に、いや、答えられない私に、女の子は言った。
そして、帽子をツイッと持ち上げた。
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