二話目「ねえ、魔法って信じる?」

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「き、って何?あなた、魔法を信じてるのか、聞いたんだけど……。」 魔女の格好をしたその女の子は、髪の毛をいじりながらそう言った。 「ミャオォ?」 黒猫も、ジッと私を見つめる。 「……何なの、あなた達!ふざけた格好して、いきなり魔法を信じてるかだなんて、冗談じゃないわよ!からかってるの!?」 私の大声に、周りの人が数人振り向いたが、すぐさま通り過ぎた。 「ちょっと、聞いてるのよ?」 「私だって聞いてるわ。魔法、信じてるんでしょ?」 「……!」 私はくるっと振り向き、そのまま帰ろうとした。 もうこれ以上、こんなふざけた子と一緒にはいられない。 「ねえ、どこ行くのよ?」 …でも、女の子は私の腕をつかんだ。 「ちょっと、放してよ。私はもう帰りたいの。」 「ダメよ、私はあなたと話したいんだから。」 女の子がそういった途端に、辺りが真っ暗になった。 「え!?な、なにこれ!?」 「静かにして、すぐ終わるわ。」 女の子はひどく冷静で、落ち着いている。 「何でもいいけど、早く放して!」 「あと二秒待って。」 女の子がすました顔で言ってからすぐあと、暗い空間は消え、そのかわり見たこともない景色が広がっていた。
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