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それからは、画面越しでの蜜月が始まった。弘嗣のボクサーパンツを穿いている限り、すぐ目の前に弘嗣がいるかのように感じることができた。私は何度穿いても弘嗣のパンツを洗わなかった。洗ってしまうと不思議な力が消えてしまう気がして怖かった。
弘嗣のパンツを穿いていると、弘嗣の身体が体感している喜びを感じることができるようだった。
そんなある晩のこと。その日は会社で飲み会があるということで、早くから弘嗣のボクサーパンツを穿いてスタンバっていた。
飲んだ夜決まって彼は私を求めた。
しかし、飲み会が終わったであろう23時頃、ラインを送ってみたが既読がつかない。
私の身体は何故かそのとき火照っていて、それが嫌な想像をかき立てた。
弘嗣のボクサーパンツを穿いている私が火照っているということは、遠く神奈川にいる弘嗣も火照っている。そんな気がした。
再びラインを送るが、やはりいつまで経っても既読がつかない。
私はそっと目を瞑り、弘嗣のボクサーパンツを穿いたままその場に寝転んだ。
そして、あの感覚を呼び覚ます。
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