出会いは唐突に

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*** 「葵咲(きさき)っ! メール……! あれ、一体、どういうっ」  理人(りひと)は息も絶え絶えで帰宅するなり、玄関先まで出迎えた葵咲を認めて一息にそう言った。  震える身体で葵咲を抱きしめると、「た、体調っ。どこも悪くないっ!?」と聞いてくるところも理人らしくて。 「り、理人……痛いっ。放して」  余りにギュッと力を込められすぎて、葵咲は痛みに顔をしかめる。  実際には逸樹(いつき)に掴まれた腕のところが少しあざになっていて、押さえるとちょっぴり痛かったのもあった。 「あ、ご、ごめっ」  理人が慌てて葵咲を抱く腕の力を緩めてから、葵咲の顔を心配そうに見つめてくる。 「体調……どんな? 気持ち悪かったり……するの?」  再度言われて、ああ、これは完全に勘違いさせてしまっている……と葵咲は確信した。  いや、そう取れるようなメッセージだな、と思いながらもわざとそのまま訂正しなかった自分が悪いのだけれど。
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