*僕はそれを我慢できない

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 葵咲(きさき)の、口元にあてがわれた左手を右手でソファに縫い留めると、わざと胸の先端の一番敏感なところに吐息がかかるように意識しながら、「ダメだよ葵咲。声を封じちゃ」とたしなめる。  理人(りひと)が言葉をつむぐたびに唇が乳首の先を(かす)めて、その刺激に、葵咲がギュッと目をつぶって「……んっ」と賢明に声を噛み殺す。  それを確認してから、わざと葵咲の固く張り詰めた先端を少し強めに甘噛みしてやると、葵咲は(こら)え切れずに一際(ひときわ)大きな声で()いた。  恥ずかしさから、目端(めはし)に涙がにじんでいるのが何とも艶めいていて、理人はごくりと生唾を飲み込む。  その刺激でさえも、葵咲には我慢できないらしい。  モジモジと太ももをすり合わせて理人を誘う。  いや、当人には誘っているつもりは微塵もないのだけれど、理人には「下も触って?」と言われているようにしか見えなくて。  胸を刺激していた左手を、脇腹を這わせるようにして下方へ下ろしていくと、薄手のズボンの上から葵咲の下腹部を軽く撫でる。  ギュッと閉じられた脚をわざわざ割ることはせず、ウエスト部から一気に下着の中へ手を侵入させると、汗ばかりではない湿り気を帯びた谷間を中指の腹でそっと辿(たど)る。  仰向(あおむ)けに寝そべっている葵咲の、敏感なところにはおへそ側からアプローチすればすぐで。  葵咲の(もも)がギュッと閉じられているために、腕ごと(あわい)に割り込ませることは無理だったけれど、指一本くらいなら余裕で滑り込ませられる隙間がある。  そもそも理人が目指す、葵咲の過敏な中心は、脚を閉じていても容易に触れることのできる位置にあったから。  理人はあまり強く擦りすぎないよう気をつけながら、葵咲の小さな秘芽(ひが)を濡れた指の腹で優しく刺激する。  理人が触れると、すぐにそこはツンと立ち上がって賢明に存在を誇示して、優しく触れ続けていたら、どんどんその下の谷間から(ぬめ)りを帯びた透明な蜜が(あふ)れ出す。  クチュクチュという水音が微かに彼女の下肢から聞こえ始めて、空気に女性特有の甘酸っぱい香りが混ざる。  理人は葵咲が、自分を受け入れられる状態にあるかを確認するため、彼女の奥へと指を進めた。  
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