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「それはそうだろう。俺は美桜のコーヒーを、家を出る時だけじゃなくて、最近は会社でも飲みたいんだ。それに朝、美桜がくれるベーグル。美味しいし腹持ちもいいから気に入っているんだが、飲み物が欲しくなるからな」
まるで当然のことかのように、淡々と柾樹は美桜に向かって話す。
そんなにベーグルを気に入ってくれているとは知らず、美桜は嬉しくなった。
けれど、確かに飲み物が欲しくなる食べ物だ。
「そうですよね! ごめんなさい気付かなくて。別のものにすれば……」
「別の……?」
柾樹の眼鏡の奥の瞳がきらっと光った。
「そうですね、おにぎりとか」
「それ、味噌汁もつけられる?」
「保温のランチジャーとかなら、おつゆも一緒に付けられるかもしれません」
「来て」
美桜の手を繋いで、柾樹は自分の部屋に引っ張っていく。
そして、部屋のパソコンを起動させた。
その間に脱いだジャケットをクローゼットに掛け、パソコンが立ち上がったのを見計らって、柾樹はデスクの前のチェアに座った。
そして、保温のランチジャーを検索している。
「外出先でもあったかご飯……」
柾樹は通販サイトの画面を開き、検索した商品説明を詳しく見ていた。
それを音読している。
「ああ、そう! そういうのです。」
それを聞いて美桜はひょいっと画面を覗き込んだ。
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