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「だって……」
美桜は思わず目を開けてしまう。
「だって? 誰に向かって口を聞いている?」
黒澤に冷たい顔をされて、美桜は目をそらせた。
「ごめんなさい……」
「よし、いい子だ」
美桜の胸に、両手で触れている黒澤はふっと笑う。
その、吐息が胸の先端にかかった。
──え……?
目の端に、端正な顔の黒澤が美桜の胸元に顔を寄せているのが見える。
──え…え…っ?
黒澤の綺麗な形の唇が開いて、白い歯の間から翻った舌は、そっ……と美桜の胸の先端に触れた。
「……ぁ……っ……」
美桜から漏れ出た声を聞いて、黒澤は満足げな表情になり、尖った胸の先端を何度も何度も口に含む。
静かな部屋にちゅ、くちゅ……という、舐められる音が響いた。
「あ……んぅ……」
濡れた音に、澄んだ美桜のささやかな声。
その声に触発されたように、何度も胸だけを執拗に舐められ、美桜は背中をそらせた。下腹部に堪えることのできない熱が渦巻いているような気がする。
そして、そのうちに黒澤の手が美桜の胸元を降り、体のラインをなぞり、ウエストから太腿へと動いていく。
「待ってください……そこは……」
「ここは……?」
黒澤は遠慮なく指で触れた。
一糸まとわぬ美桜に対して、触れる黒澤は襟元ひとつ乱れていない。
美桜の肌には黒澤の服の布地の擦れる感触がした。
迷わず触れる黒澤の指が美桜の狭間を撫でる。
ぬるりとした感触に美桜はどきんとした。
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