5人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
米倉正造の母親が現れたのも、驚きだが、その母親が、痴呆症というか、認知症になっていたのは、文字通りショックだった…
そしてなにより、正造の母が語った、米倉平造の姿が、違い過ぎた…
米倉平造の実像といっては、大げさだが、それまで、私が持っていた米倉平造の姿と違い過ぎた。
だから、私たち三人は、しばし言葉もなく、介護施設の廊下にポツンと立っていた。
なにを話していいか、わからなかったからだ…
それでも、やはり、聞きたいことは、山ほどあったので、私は口を開いた。
「…水野さん…正造さんの母親が、この施設に入っていたのを、以前から知っていたんですか?…」
「…偶然ね…」
「…偶然?…」
…どういう意味だろう?…
最初のコメントを投稿しよう!