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「…オレは、水野財閥の後継者…だから、さまざまな水野傘下の企業に定期的に顔を見せる…親父の命令でね…この施設もそうだ…
「…それで、偶然…」
「…そう…偶然、正造の母親を見つけた…もっとも、オレは、あの婆さんが、米倉正造の母親だとは、知らなかった…」
「…知らなかった?…」
「…オレは、正造の母親と面識はない…親父が、米倉平造と親友だから、子供の頃、米倉の家に、遊びに行ったことは、何度もあったが、そこにいたのは、澄子や正造、それに、好子と新造の姉弟たちだ…それと、好子と新造の母親…だから、最初から、澄子や正造の産みの母親と面識はない…」
「…」
「…あの婆さんも最初は、しっかりしていたらしいが、徐々に認知症になった…それから、しきりに、米倉のことを口走るから、この施設を訪れた、親父に、職員の方が、あの婆さんのことを言ったらしい…そこで、親父は、あの婆さんに会ったわけだ…」
「…」
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