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「誕生日に失恋とか無謀すぎ、かな」
とっくに終わっていたものを、自分で終えられないものだったから、お別れしたの。たぶん、私にとっての初恋に。
蝕んでいて片時も切り離せなかった、後悔と涙といい思い出を混ぜ込んだ愛に。
「泣きたくない〜…」
それでも涙が出てしかたない。
【 涙 止め方 失恋 】 で検索かけて止めてみるしかないようだ。
そんな茶番は放り投げて、目を擦る。
「ほんとう、に、」
光。
本当に、あの頃から、すきだった。
「いいたかった、のにっ」
だけど、おめでとう。彼女のこと、泣かせたらだめだよ。
そっちのほうがふさわしいと思う。
……だからすこしだけ、背伸びをさせてよ。格好つけさせて。
失恋なんてどうってことないって顔をして、おとなぶって、祝福の言葉を伝えさせてよ。
そうじゃないと私、ずっと涙が止まんないから。
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