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何も変わらない日常が広がっている。
あのふたりがお似合いって言われることも変わらず、中庭の木陰で笑い合う彼らも変わらず。
それが視界にうつって溜め息をついてしまうことも変わらない。
ただ、こころがすっきりしている。
「ち〜よ〜ちゃんっ。このあいだはごめんねえ、遅れちゃったけどお誕生日おめでとうっ」
「あ、ありがと」
「水臭いわよ、千頼。もっと誕生日アピしてもいいんだからね」
「うん、覚える気はないってことね。でもありがと」
駆け寄ってきた友人を抱きしめて、笑顔を返す。そうしていると、何を見ていたの、とまた問われた。
「あれ見てたの」
「光くんだぁ。なになに? もしかしてちよちゃん、光くんのことすきなの?」
「それ私も気になってた。ときどき見てるよね、あいつのこと」
なぜかきらっきらとした視線が集まるけど。
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