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その後の私の人生は波風の立つことなく、静かな環境の中で夫の稔と共に順風満帆に過ぎて行った。
今年も桜花爛漫の好季節を迎えた。野にも山にも春が生まれていると実感する。プランターに植えたすみれに蝶が舞ってくるのが楽しみだ。
稔との間に生まれた娘の麻衣子の入園の日も近くなり、希望が溢れる春にもなった。凛々しい娘の幼稚園の制服姿を目にし、入園準備に飛び回りながらも、何もかもが嬉しい。
「やっとここまで来たね」
稔が私の肩に手を置いて、静かに呟く。
「ええ。ありがとう」
彼は侑樹との思い出が残っている私を受け入れてくれた。また私も前妻の面影を忘れない彼を包み込んできた。
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