カウント -1

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 かっとなり、私は思わず、怒鳴っていました。 「何をしているの?」  なぜならば、クラスの男子が私の机においてあった大切な宝物に無断で触っていたからです。その宝物は、花の絵が描かれている綺麗な箱で、大好きな叔母からの誕生日プレゼントでした。  怒鳴られた男子はきょとんとした顔をしたかと思うと言い訳を始めました。何の言い訳かと不思議に思って話を聞いていると、どうやら彼は私の机から落ちそうになっていた箱を親切な気持ちから元の位置に戻してくれていたそうです。隣の席の女子との話に夢中になっていた私はそのことに気がつきませんでした。 「ごめんなさい」 私は謝りながら、顔をあげました。その男子と目が合い、私はハッとしました。彼も驚いた顔で私を見ています。
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