やったね!爺さん!

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 爺さんは長らく貧困暮らしに苦しみ続け、到頭、金が払底し、売り食いも出来なくなり、長屋の家主からは立ち退きを言い渡され、路頭に迷い、江戸を出て、田舎くんだりまで来て、行き着いた場所は飛び降り自殺にはもってこいの切り立った崖の上だった。  爺さんは腰を下ろし、ふうと溜息をついてから独り言ちた。 「こいつはわしの最後の所有物であり冥土の土産じゃ。さて飲むとするか」  それは瓢箪に詰めた毒薬入りの焼酎だった。
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