プロローグ

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 リリカはピラミッドのような天空宮殿が思念で移動できる多次元構造の建物だと察知する。レナを一先ず置いたままビーストへ移動した。破壊工作を仕掛けるとそれを案内したのは何とロブだった。自らリリカが来ることを予想して生前に予め仕込んでいたのだった。最後のパスワードは「LILICA hyper」20分後に起爆する仕組みだった。急いでレナを連れ帰しに戻るがヴラドの能力には歯が立たないことを知ったイサムが犠牲になり、その隙に脱出する5人。悲しみに暮れながらアガルタを去ろうとした直後にヴラドの攻撃に遭う。ここでリリカがヴラドを道連れに皆を逃がすがコウガも後を追った。  リリカとコウガは気が付くと再び天空宮殿の中に閉じ込められていた。爆発まで間に合わないと悟った二人は覚悟を決めるのだった。しかし時間を過ぎても何も起きなかった。安堵するが脱出不可能な墓地に閉じ込められた二人はなぶり殺しに嵌められたことに気が付く。あきらめかけた二人を救ったのはコウガの母アンリだった。アンリの導きにより脱出成功した3人はヴラドとの決戦に挑む。これを成し得た3人だが、リリカの中の起爆剤を自らの体内に移したアンリがビーストの心臓部へ突入するのだった。 「与えられた時間で精一杯子供にしてやれることをする。私に悔いは無い。今度はあなたたちがそれをするのよ」リリカの妊娠を告げて決別したアンリ。  二人がアガルタ脱出に使ったものは転送ポッドだった。それは記憶を失うことを意味していた。時間が無く、覚悟を決めるリリカとコウガ。オーサカ湾に漂流するポッドを発見したニックらに救出されるが、二人の記憶は戻ることは無かった。お互いを自分をも知らないまま、妊娠を知ったことで共同生活を始める二人に再び愛が芽生え始めていた。
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