モンキーマークのプレゼント

3/13
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
* その翌朝。吹雪はおさまり、太陽に照らされた雪が輝いています。トナカイ舎の前に設置されたベンチに座ったドレッドが、ラックとニトラスを呼びました。 「お前たちに大事な話がある。今年のクリスマスはラックも旅に連れて行きたいと思う」 昨晩のことを叱られると覚悟していたラックは驚きました。「どうして?」と投げかけたのはニトラスです。 「世界をめぐる旅は、巷でイメージされているようなハッピーばかりではないことはニトラスもよく知っているだろう。だからこそ、小さなラックはここに残してきた。でも、ラックも少しは大きくなったし、何よりワシの体力が限界に近づいている。ラックに手伝ってもらいたいんじゃよ」 ラックの瞳は、周辺の雪のようにキラキラと輝き始めました。 「ドレッド、ありがとう!僕、がんばるよ!」 「お前、本当に大丈夫かぁ?」 ラックを茶化すニトラスですが、その表情は嬉しそうでした。 「そうと決まれば、早速出発の準備じゃ。いつもより早めに出るぞ」 ラックとドレッドは山小屋へ、ニトラスはトナカイ舎へ戻り、それぞれ支度を始めました。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!