……トオルの本音

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明智君はすぐに頷いた。 このバイトを勝ち取った明智君は並大抵の男じゃない。 東京大学を休学して世界を渡り歩いているらしかった。 映司達に言わせれば、明智君はAIのロボットにも劣らないほどの情報の持ち主だということ。 ファッションとかブランドとかそんな類の分野に疎い俺にとって、明智君は救世主だった。 「ジェイクハミルトンは、今、ファッション業界では飛ぶ鳥を落とす勢いで、世界各地で彼のブランドは売上を上げています。 斬新なデザインとオートクチュール的なデザインを融合させ、奇抜な中にも上品さと気品さを兼ね備えたそういう作品が多いですね。 でも、彼の一つのこだわりは、春夏と秋冬のファッションショーを自分のニューヨークにある自社ビルでしか行わない事。 とても小さなホールで、でも、そのせいで、モデルの人数も限定され、だから、モデルの中ではそのショーに出る事が超一流だという流れができているようです」 俺は、明智君の情報量の凄さに感動した。 だって、今からそのブランドの情報を調べようとしていたところだから。 ソフィアはバイトを選ぶ基準に、絶対的な頭の良さを一番にしている。 そして、スマートで綺麗な顔をしている事も条件だそうだ。 それは、俺達にとってはどうでもいい事だけど…
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