加恋の夢は二つ身体は一つ

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私は目が点になる。 え? どういうこと?? 町田トレーナーは電話を切ると、私の隣に座った。 「加恋にとっては驚く事かもしれないけど、この仕事をしていたら、こういうパターンってたまにあるんだ。 具合が悪いや調子が悪いは、案外、妊娠だったりする事が。 ま、でも、加恋に関しては、ちゃんと結婚してるんだから、こうなる事は想定内」 私はまた涙がポロポロあふれ出した。 「トオルさんは、加恋ちゃんは若いから子供はまだ先でいいって、避妊もちゃんとしてくれていて、だから、妊娠はないんじゃないかと思ってるんです…」 町田トレーナーは私の頭を優しく撫でた。 「検査薬あるから、今、調べてみるか? それとも家でトオルさんと一緒に調べるか、どっちか決めて」 私はトオルさんの笑顔を思い浮かべた。 子供はほしい… できれば男の子で、トオルさんに似たイケメン男子がいい。 でも、モデルの頂点にも立ってみたかった… チャレンジしたかった、いや、もし、出来る事ならチャレンジしたい… 私が何も言わないで下を俯いていると、町田トレーナーが代わりに答えてくれた。
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