加恋の夢は二つ身体は一つ

13/14
前へ
/85ページ
次へ
「俺は… 加恋ちゃんが出産だなんて、考えるだけで怖くなる… でも、これが本当の妊娠なら、俺だってそりゃ嬉しいよ。 でも、それでも、加恋ちゃんの事が心配なんだ。 出産って痛いんだろ? 出産で死んだりなんかしないよな?」 私はトオルさんの言葉が嬉しくて、トオルさんの首元に抱きついた。 「トオルさん、そんな事はまだ考えなくていいよ。 まずは産婦人科に行って、ちゃんと妊娠してるか調べてもらわなきゃ…」 すると、トオルさんは私を抱きかかえベッドに寝かせた。 「明日、病院へ行こう。 俺が日本一安全な評判のいい産婦人科に連れていくから。 加恋ちゃんとお腹の子が、無事に元気に生まれてくるのなら、俺はお金と時間を惜しまない。 明日は俺も休む! そうだ、ソフィアに言って、育休を取れるよう頼んでみる。 ソフィアの事だから、一年くらい休みをくれそうだな」 い、一年?? 「加恋、明日の病院での結果次第で、ニューヨーク行きは全てキャンセルにする。 それでいいだろ?」
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1145人が本棚に入れています
本棚に追加