10.彼

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10.彼

あの時、頭の悪そうなこの可愛らしい子に幸せな恋人ができるようにと願った。 そして、さっきの3周は、俺が彼女を抱きしめられるようにと願った。 本当は、彼女がどこか俺の知らないどこか遠くで幸せになることを願ってあげるべきなのに。 そう望むことが、俺には出来ない。 どうか、この池の周りだけでも、時間が止まればいい。
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