12人が本棚に入れています
本棚に追加
家の裏から、コンコンという音が響いている。裏に周り、薪割りをしているルカに声をかけた。
「ルカ。行ってきます!」
「お、もういくのか」
「うん」
「やっぱ俺も行こうか、心配だし。今から髪の毛剃って――」
ルカは短い赤髪を撫であげた。
「大丈夫だって。もう14だよ?」
「ルカはさっさと薪割って、お母さん手伝ってあげてよ。じゃ行ってきます」
「お、おお気をつけてな」
アンナはくるっと踵を返し、家の前でわずかに開いた木々の生茂る坂を下っていった。足取りは軽く、坂を飛ぶように駆けていく。
「知らない人についていくんじゃないぞー」
ルカの声が森に響いた。
最初のコメントを投稿しよう!