ー半年後ー

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バックの中身を開けると…財布がまず出てきた。しかし…携帯は既に電池が無い。そして私の身分証明書…財布のポッケに確か入れていた筈…私は財布を開ける…しかしお金はやはり盗まれている。残っていたのは少々の小銭程度。札はない。 そして店で使えるポイントカードやクレジットカードもない…案の定…身分証明書(免許証)も無かった。 通帳は…通帳は一応、残っていた。 私の名前は通帳で判明。 私の名前は野間ひより。 『へぇ、あなたの名前は野間ひよりさんって言うのね。』 『でも、どうして通帳だけ残したのかしら?クレジットカード持ってても暗証番号が分からなければお金下ろせないわよね。間抜けな犯人ね…』クスクスとあずささんが笑う。 『いや、でも、私のお札は盗んでますから…それでやり過ごせるかな。』 『逃走…そんなに長くは続かないとは思うけどね。』 『…まぁ、そうですね。』 『あなたの名前は一応、黒岩さんに報告するのよ。それでも貴女はその犯人に命は狙われてるから気は緩めないでよ!』 『はい。あの、今はそのまま舞と呼んでくれますか?』私は気になることをあずささんに言いました。 『そうね…その方がいいわね。今は偽装の名前で犯人の手がかりをこれからも探らないとね。』 私はそのあずささんの言葉を聞いて何故か安心していた。身を案じて貰える…頼りがいのあるあずささんと出会えて私は心強かった。 「ちょいちょい、お嬢さん達、話を盛り上がっているところ悪いだがね、わしの事を忘れちゃ困るな。」二人の間に割って入る管理人の間宮さん。 『あー、すみません。やはり、藤原さんという方は黒…ですね。舞を殺したのはやはり藤原さんです。』あずささんは間宮さんに伝える。 その話を聞いて認めるざる逐えない間宮さん。 それから私達は刑事の成田刑事にもそのまま報告して指名手配となる藤原総造。 今まで止まっていた未解決事件の捜査も再び、続行される事が決まったのです。 そのまま、私達も成田刑事の元、藤原総造の関係者や手かがり探しの捜査に加わることができた。 ただ私はまだ、その藤原総造の顔や体型が分からないので指名手配となった藤原総造の名前だけで捜査を暫くは続けないとならない。いち早く顔を思い出さないと…と私は重荷と心配が重なったのです。
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