運命の…

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陽太に会いたい私が出会った、ハルタという犬。保護犬で、里親がなかなか現れなくて、そんな縋るような目で見られたら…。 亡くなった婚約者と同じ名前の犬を飼うって言ったら、両親は何と言うだろう?また更に心配をかけてしまうのだろうか? だけど、この奇跡のような出会いに私は救われた。 「ハルタ、ウチに来る?」 ワン!と大きく一鳴きしたハルタは、大歓迎とばかりに、またベロンベロンと舐めてくれる。 誰もが二度とは来ない瞬間を生きている。これが運命というものなら、ハルタの為にもう少し生きてみようか。 そう思ったら、ずっと真っ暗だった心の中のトンネルの先が、ほんの少しキラリと光った。 ――ねえ陽太、これで良いんだよね? 正解なんて分からない、きっと誰にも。 〈end〉
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