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慌てて朱音が遠慮がちに質問すれば、女神は心配させないように優しく微笑む。
「もちろん無料です。こちらがご迷惑おかけしたのですから。
あぁ、ご挨拶が遅れてしまいました」
女神は未だに朱音を見上げながら、艶やかな唇が動く。
「私の名前は、吉野冬子(とうこ)と申します。
おそらく外国人と思われていますが、イギリス人と日本人のハーフなんですよ。
お名前を伺っても?」
「こちらこそご挨拶が遅れて失礼しました。
相良朱音と言います。
治療して頂きありがとうございました」
「いえ、こちらがご迷惑をおかけしたのですから。
では朱音さん、もし足が大丈夫でしたらあちらに移動しましょうか」
冬子はそう言うと、部屋の真ん中あたりにあるテーブルに視線を向けた。
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