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「気になりますか?」
すぐ側から声がして朱音は慌ててそちらを向けば、見上げるように女神が微笑んでいる。
「ここは私の仕事場なんです」
少し部屋の方に目線を向けた後、女神は朱音を見る。
「どんなお仕事をされているんですか?」
「占いと、カウンセリングのようなものですね」
朱音が困惑したような顔をしたせいか、女神は少し笑い、
「そんなことを言われると怪しく思うのは無理も無いことです」
「いえ、私占い大好きです!」
朱音が慌ててそう言うと、女神はきょとんとしたあと、くすっと笑った。
可愛い。くすっと笑うと美しさに可愛らしさまで追加されるなんてずるい。
こんな美しい存在と生で対峙したことの無い朱音のとしては、新たな発見ばかりだ。
「簡単でよければ占いましょうか?」
朱音がそんなことを思っているとは知らず、女神は声をかける。
「良いんですか?!あ、えっとお値段は」
思わず反射的に言ってしまったが、チェーン店のような占いでもそれなりにするのに、こういう個人のとこでやっているのはとても高額な場合が多い。
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