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それは短大卒業間近、イギリスで一人旅をした時のこと。
金糸のようなさらりとした美しい髪、時折グレーにも感じる青い瞳に優しげな笑みをたたえ、オレンジ色の夕日を背に彼は私の前に現れた。
まるで、昔話に出てくる王子様のように。
ロンドンの古びた骨董店で出会ったトレンチコートにスーツ姿の王子様は、何故か私に美しい輝きを放つグレーの石がついたペンダントをくれた。
今も胸に残る美しい思い出。
いつかまた、彼に出会うことが出来たのなら。
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