第一章 ラブラドライトの紡ぐ出逢い

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********* みなとみらい駅からみなとみらい線に乗り各停で三駅、終点元町・中華街駅で降りる。 天井の高いホームに降りた多くの人は、中華街方面の出入り口に向かうが、反対の元町側へ。 何度もエスカレーターに乗り換え地上でれば歩道には「←JR石川町駅」「海の見える丘公園→」との案内板がある。 右に進み信号を渡ってまた右に曲がり、目の前には「谷戸坂」と刻まれた長方形の長い石が道の脇に立っていて、その先はかなり急な上り坂。 「本当に合ってるんだよね、こっちで」 相良朱音はそう呟くと、履き慣れないお洒落な靴を履いてきてしまったことを後悔しながらスマートフォンの地図を確認し、目の前の坂を上り始めた。 髪の長さは本来肩下くらいの黒髪ストレートだが、今日は緩くウェーブをかけているせいで、歩くたびにふわふわと髪が揺れる。
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